ボートレースに慣れ親しんでくると様々な用語を目にする機会が多くなります。
競艇予想歴の長い人でも“言葉の意味は何となく分かるけど本当の意味がわからない”といったこともあると思います。
この記事では1節で必ず1度は目にする賞典除外について初心者の方にもわかりやすく説明していきます。
賞典除外(しょうてんじょがい)とは
賞典除外とはその字の通り、賞典から除外されるということは大抵の人が分かると思います。
しかし、賞典から除外されると実際にどういった影響を及ぼすのでしょうか。
まず、賞典とは賞典レースのことで予選得点率上位(大抵の場合18位以内)や一部の限られた選手しか出走できないレースのことです。
優勝戦・準優勝戦・特別選抜A戦/B戦を指します。
この他の予選などのレースは一括りに一般戦(一般レース)と呼びます。
賞典レースは一般戦よりも高い賞金が用意されている上に一般戦では4着以下は賞金が出ないのに対し、賞典レースでは6着まで賞金が発生しています。
例・ボトレース平和島[一般]ミニボートピア黒石開設10周年記念ウェーブ21杯の賞金
グレードが付くタイトルではこれ以上の賞金を獲得することができます。
特に最高グレードのSGでは優勝すれば数千万円といったタイトルばかりです。
開催 | タイトル | 優勝賞金 |
---|---|---|
3月 | ボートレース クラシック | 3900万円 |
5月 | ボートレース オールスター | 3900万円 |
6月 | グランドチャンピオン | 3300万円 |
7月 | オーシャンカップ | 3300万円 |
8月 | ボートレース メモリアル | 3900万円 |
10月 | ボートレース ダービー | 3900万円 |
11月 | チャレンジカップ | 3300万円 |
12月 | グランプリシリーズ戦 | 1600万円 |
12月 | ボートレースグランプリ | 1億円 |
どのレーサーも賞金を稼ぐために競走していますが、その理由は単にお金が沢山欲しいからということももちろんですがそれ以外に獲得賞金によって出場が絞られるレースがあるためです。
優勝賞金1億円のSGグランプリを例に挙げるとその出場条件は開催年の1月1日から11月下旬に開催されるSGチャレンジカップまでの獲得賞金の順位が上位であることが必須となっています。
賞典除外となってしまうと獲得できる賞金は必然的に少なくなり、特に大金を一気に獲得できる“優勝戦”に出場できないとなると賞金ランキング順位にも大きく影響してくるのです。
特にG1やSGといった大きなタイトルでは選抜戦なども含めて賞金が高いので賞典除外は絶対にまぬがれなければいけないのです。
また、賞典除外となった場合は開催期間中での賞典除外となり、次節のレースでは賞典除外の処分が解除されます。(あっせん停止などのケースはあります)
失格による減点数がそもそも多いので必然的に賞典除外になると覚えておきましょう。
賞典除外になるケース
実際にどのような場合に賞典除外の処分が下されるのでしょうか?
賞典除外となるケースをまとめました。
- 1.フライング
- 2.出遅れ
ボートレースでは大時計のスタートが0になってから1秒以内にスタートをしなければいけないというルールがあります。
それよりも先にスタートラインを切ってしまうとフライング(F)、1秒以上遅れてスタートを切った場合は出遅れ(L)となり賞典除外となります。
実際には事故点としてフライングで20点(優勝戦は30点)が減点されるので得点率順位が上がらず、優勝戦や選抜戦への出場が事実上できなくなります。
また、フライングや出遅れをした場合は事故点が科せられると同時に1度目で30日間のあっせん停止、2度目で60日間のあっせん停止となります。
実況などで「フライング1持ち」とお知らせがありますが「次回フライングをしたら60日間あっせん停止になります」という意味になります。フライングや出遅れを持っている選手はスタートに対してより慎重になるので予想をする上で見逃せない情報となります。
- 3.妨害失格
後続する艇を巻き込み転覆や落水させた場合は妨害失格となります。
自分自身だけが転覆した場合は選手責任の転覆失格となり、減点5点で賞典除外にはなりません。
- 4.待機行動違反
1節において2度の待機行動違反を犯してしまった場合は賞典除外となります。
準優勝戦及び最終日でも待機行動違反をしてしまうと賞典除外になります。
- 5.不良航法
1節で2回の不良航法をした場合、賞典除外になります。
1回目で減点7なのでこの時点でも得点率上位が難しくなってきます。
SGやG1の得点率順位表で賞典除外選手の着順欄を見ると妨やFといった記載があるのはそれが原因で賞典除外になったということです。
賞典除外希望(希望調整)とは
出走表の賞典除外理由に“希望調整”と記載されているケースがありますがこれは選手自身が出走数を減らしてほしいと希望を申請したことになります。
申請をすると主催者は希望があった選手を1回乗りや2回乗りに調整してくれますが、その代りとして賞典除外となります。
高い賞金を獲得できるかもしれないのになぜ自ら出走する回数を減らしてほしいと希望を出すのでしょうか?
これは自らの勝率を維持するためや事故率を上げないために行っています。
1年に2度ある級別を決定する時や勝率によって出場が決められるSGボートレースダービーなどでボーダーを維持するためにあえて出走回数を減らすという作戦です。
事故率に関しても0.70以上(累積事故点÷出走数)になってしまうと最低級別のB2が決定するので事故点がたくさん付いている選手は希望調整を申請する場合があります。
その他にも様々な理由によって出走回数の希望が出され、賞典除外となります。
帰郷とは異なる
即日帰郷という単語を出走表などで見かける機会が多いと思いますが、大抵の場合、賞典除外と同様に扱われるかのような場所に記載されています。
即日帰郷とは過去に日本が戦争をしていた時代にも使われていた言葉で、陸海軍への入隊の通知が届いたので行ってみたものの、健康状態などの面においてとても兵隊にはなれないと判断され、その日のうちに帰宅が許可されることを表していました。
ボートレースにおける即日帰郷は強制的に帰らされることです。
理由はさまざまですが前検日に正当な理由なく遅刻してしまった場合や体調不良、非常識なフライングなどがあります。
即日帰郷よりもさらに処分が重い即刻帰郷もあります。
自己都合・病気・怪我による帰郷は途中帰郷と言います。
賞典除外はその後の日程も出場できるのに対し、帰郷処分は残りの日にちのレースには出場ができずより処分が重いことになります。
帰郷に関する詳細はこちらの記事からどうぞ!
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