前検日とは前日検査の略ですが、具体的にこの日に何が行われているかご存知でしたか?
この記事では前検日に加えて前検日のボートレーサーの行動に関して書いていきます。
目次
稼げる公営競技選手【競艇】
平均年収は1600万円とも言われているボートレーサー。
ボートレース界のレジェンドこと、松井繁選手にいたっては生涯で35億円以上も稼いでいます。
競馬界で有名な武豊騎手でさえ年間の収入は約9000万円~1億5000万円です。
稼げる職業ともなれば将来、ボートレーサーを夢みる人も多いのは当然ですね。
しかし、稼げる人気な職業ともなれば競艇学校の合格率も極めて低くなり、超難関な試験をクリアし、さらに卒業しなければボートレーサーになることはできません。
さらに競艇学校に入学するにあたっては身体的な制限もあるため、競艇選手になるには学力や能力があるだけではなりたくてもなれないのです。
稼げる職業=忙しくしていて当然かと思われます。
この記事では皆が気になる競艇選手のレース前日、いわゆる前検日の全貌をお伝えしていきます。
時系列だけではなく、制限なども書き入れていきたいと思います。
レース開催1日前の競艇選手の1日
競艇のレースはほとんどが6日で1節となっています。
選手は6日間だけ開催地に出向くわけではなく、開催される前日から検査などを行っているのです。
検査が終わると制限が多い宿舎で翌日まで談笑したり、おのおのの時間を過ごします。
レース開催前日の選手の行動を見てみましょう。
AM7:00 起床
開催地に遠い選手はさらに早い時間に起床となりますが、前検を行うまでの時間を逆算するとこの時間に起きなければ前検には間に合わないでしょう。
前日検査の時刻に間に合わない場合は出場停止(あっせん停止)など厳しい処分が待っています。
AM8:00 開催地へ出発
一度家を出たら最低でも7日間は自宅に帰ってこれません。
また、外部との連絡も一切とれなくなるので自宅を出る時には家族に見送ってもらうことも多いと思います。
開催地までは自分の車やタクシー・飛行機を使っても問題ありませんが、これらの交通費は自腹となります。
新幹線や鉄道を使った場合のみ、賞金と一緒に支払われます。
自家用車で行って渋滞や事故に巻き込まれて遅刻をした場合は出場停止となるため協会からは公共の交通機関を使って向かうことが勧告されています。
昼開催の場合は10時までに開催地に行かなければいけないので早めに家を出る選手がほとんどでしょう。
AM10:00 開催地に到着
開催地に到着をすると入待ちをしているファンが待ち構えている場合があります。
ここでは写真撮影やサインに応じたり、プレゼントを受け取ったりするのですが基本的にBOATRACE振興会ではお客さんあってこそのボートレースという方針のため、対応良くファンと接さなければいけません。
時間ギリギリで行動してしまう人はボートレーサーに向いていないことがわかります。
会場入りはSGで午前10時、その他は12時となります。
AM11:00 私物検査
レース場に到着後、私物検査や身体検査をうけることになります。
私物検査では携帯電話や通信機器など、外部と連絡が取れるものはすべて預けることになります。
レース開催期間中に出場中の選手のブログやツイッターが更新されないのはこのためです。
PM0:00 モーター抽選
全レーサーが集合したら主催者の挨拶や注意事項などが説明され、それを終えるとボートとエンジンの抽選が行われます。
抽選はコンピューターなどでは決められず、選手自身が福引で使うガラガラを使って使用するモーターなどが決定されます。
この時点からすでに開催が始まっていると言っても過言ではないのです。
※以前は持ちペラ制度といって選手自身がプロペラを持ち込んでいましたが現在はモーターとセットになっているので持ち込みができなくなっています。
PM0:30 昼食
お昼ご飯は選手食堂で食べますがこの食道は選手だけではなくスタッフなども利用します。
レース前日なので体重の増減が気になる選手は軽めに済まします。
大抵の場合、各メニューから選ぶことができます。
2018年3月には競艇選手が集団食中毒を起こすといったことがありました。
平和島競艇のマスコットキャラクター・ピースター公式ブログにおいて選手のメニューの紹介がされているので興味がある方はぜひご覧ください。
→ピースター公式ブログはこちら
PM1:00 整備・調整
抽選で決定されたモーターをチェックし、プロペラなどの調整をします。
特にモーターは気温や湿度・気圧などに敏感に反応するので念入りに調整が必要になります。
PM1:30 試走
整備調整したモーターを自分が乗るボートにセットをして実際のコースで試走します。
一発でOKの場合もありますが納得できない場合は再度整備場に行き調整して試走してを繰り返します。
PM2:00 前検タイム計測
よくモーター抽選結果などで”前検タイム“と見る機会がありますがそれこそがここで計測するタイムとなります。
先にスタート練習を済ませ、その後タイム計測に入ります。
ここで計測されたタイムがマスコミを通じて発表され、観客の予想材料などに活用されます。
ここでタイムが著しく悪い場合、予想をする人にも不利になるので再計測となります。
PM4:00 バスで宿舎へ移動
外部との連絡を一切断つために選手は専用のバスを使って宿舎に向かいます。
宿舎が近い場合は徒歩で移動しますがその場合、競艇場の施設内に所在している場合がほとんどです。
PM4:30 夕食
少し早い時間ですが食道で夕食を食べます。
食事の後は入浴に加え、自由時間となります。
アルコール類のお酒を飲むことは禁止されていますが売店でお菓子や軽食が売られています。
宿舎ではプロペラやエンジン調整は一切できないので完全なるリラックスタイムとなるので娯楽室で他の選手と談笑する選手も多くいます。
男女混合のレースは入浴時間が男女別に区切られています。
過去に性同一性障害の選手がいましたがその時は男女の入浴時間とは別に枠が設けられたそうです。
PM10:00 就寝
消灯となり、これで前日のすべてが終了となります。
宿泊施設についてですが、大阪の住之江競艇場で開催される場合は個室となりますが、その他はホテルのツインルームや民宿タイプの部屋で数人で寝ることとなります。
同支部ごとに部屋が割り当てられることがありますが男女混合の場合は女性選手がまとめて同じ部屋となります。
レースよりもハード!?前検日
前検日では選手登録表を忘れたりWi-Fiなどを含める通信機器を預け忘れて不合格となるケースもあります。
遅刻を含め、レース当日並に神経を研ぎ澄ませて開催に望まなければいけません。
また、前検タイムにおいては公平性を保つために著しくタイムが遅い選手は失格扱いとなりそのレースには出場できなくなるなど、厳しい環境の下、レースが開催されています。
ボートレーサーという職業がいかに厳しい世界かがこの記事で伝わっていれば幸いです。
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