ボートレース○○では○月○日から温水パイプが装着されました。
夏を終え、秋に入るとこのようなアナウンスを聞く機会が増えます。
この記事では競艇で温水(おんすい)パイプが装着された場合、逆に取り外された場合はレースやボートにどういった影響を与えるのかを詳しく説明しています。
温水パイプ装着の有無に関係なく予想している人はこの記事を読めばさらに当たる予想に近づけるかもしれません!
温水パイプとは
温水パイプとはキャブレターが凍結するのを防ぐもので寒い時期にボートレース場を問わず装着が義務付けられています。
キャブレターはガソリンと空気を混合する燃料供給装置のことだゾ!
特定のモーターではなく、すべてに温水パイプが付けられます。
この温水パイプは各レーサーが装着するわけではなく全国のボートレース場に滞在している整備士が行います。
凍結防止用とは言うものの実際にエンジンが凍るのかは不明です。
少なくとも九州地方のボートレース場では凍らない気もしますが三国競艇場(福井県)や桐生競艇場(群馬県)などの寒い地域では温水パイプを装着しなければ真冬は確実に凍ってしまうでしょう。
ただこの記事でも説明しますが温水パイプの有無はレースにも影響してくるため、競艇場によっては装着しない所が出てくると選手も逐一そのことを考えて乗らなければいけず効率が悪いことからすべての競艇場で装着が義務付けられているのでしょう。
温水パイプ装着前後画像
実際に温水パイプ装着前と装着後の画像を見てみましょう。
画像左の赤で囲んでいる部分は冷却水がエンジン(エキゾーストフランジ)から排出されている通常状態です。
冷却水といっても温水パイプというくらいなので実際には温まっているものです。
画像右の黒く伸びているチューブ状のものが温水パイプですが長くなり、どこかに繋がった後に排出されていることが分かると思います。
これはエンジンから排出された冷却水が一度、キャブレター内部(インレットマニホールド)を通り、キャブレターを暖めた後、排出されているのです。
温水パイプで温めることでガソリンが気化されやすくなり燃焼効率の向上にも繋がっています。
キャブレター内部を通って温める仕組みは給湯器やエアコンなどの熱交換器と同じですね。
なお、温水パイプはゴムパイプになっていて長さは35センチあります。
温水パイプが装着されるとどうなる
この温水パイプはキャブレターの凍結防止以外にも大きく影響してきます。
温水パイプが付けられるとどうなるのか。
エンジンは空気が冷えた状態の方が密度と酸素濃度が高くなり、燃焼効率が上昇します。
温水パイプが着けられると入ってくる空気も温まってしまうため、加速も鈍くなってしまいます。
レースなんだからスピード感がある方がいいと望む気持ちはわかりますが、冬場の寒冷期ではスタートの行き足もよくなってしまうので選手がいつもの感覚でレースをするとフライング事故が多くなってしまうのです。
フライング事故は返還対象になる、すなわち売上が落ちてしまう上に選手や舟券を買う側にとっても大きなマイナスだからね!空気が冷たくなったことが理由でフライング事故が多くなるのであれば温水パイプを装着して他の時期と同様に走ってもらえば事故が減ると陣営は考えついた訳だ!
全国のボートレース場では10月を目処に温水パイプが装着されますがそれ以降、インが弱くなる傾向にもあるのでボートレースダービーではこの点もしっかりと覚えておきましょう。
なお、2014年から出力低減モーターが全競艇場で使用されていますがこのモーターは出足が悪く、高回転よりも低回転時に影響が出やすいこともインが弱くなる原因にもなっています。
一般財団法人日本モーターボート競走会では、全レース場を対象に本年12月より順次「出力低減モーター(ヤマト331型)」を導入します。新たに導入するモーターは最高出力を1PS低減させることで、現用モーターより3周回タイムで約2秒遅くなりますが、突発的な接触事故の衝撃緩和に機能します。
2014年当時のボートレース振興会からのお知らせにもあるとおり、出力低減モーターに変えてからレースタイムは2秒遅くなったと書かれています。
温水パイプの取り外し時期
温水パイプは毎年5月以降に取り外されますがその理由として4月だと急に冷え込む日もあるためです。
ここで気づいた人もいるかもしれませんがボートレースでは半年以上、温水パイプを装着してレースが行われているのです。
予想をする際に気をつけること
温水パイプを装着することで突如として吹き出すモーターもあれば逆に様変わりしたかのように脚落ちしたりと相場が変わってきます。
具体的には低速から中速にかけて影響を受けやすくなり、行き足が変わってきます。
行き足とはスタートの助走から1周目1マークまでの加速状態を指すぞ!
温水パイプの取り付け・取り外しが行われてから1~3節間は特に選手の調整力が伴ってくるため突如として違う足を見せてくることもあるので毎年5~6月と9~10月の取り外し状況はしっかりと確認しておきましょう。
また、先にも書いたように温水パイプ装着時はモーターの回転が悪くなるため水面によってはインが弱くなり、センターとアウトが有利になるということもあります。
温水パイプの取り外し時期はセンター・アウトが狙い目!?高配当にも期待できるゾ!
キャブレターの凍結防止を目的に装着される温水パイプですがエンジンの回転の上がりを鈍くするというデメリットもある点を覚えておきましょう!
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