場外発売場設置推進の報道がなされていますが本件に関してボートレース振興会は一切関与しておりません。
このような文言を見かけたことがある人も少なくないはずです。
上記はボートレース振興会がプレス・リリースで発信していたものです。
ボートレース場や場外(ボートピア)の設置は誰がどのように決めているのでしょうか?
競艇のメイン運営団体である”ボートレース振興会”も関与していないとなると…
その謎に迫っていきます。
目次
場外舟券発売場とボートレース振興会の闇
東は群馬から西は長崎まで全国に24箇所存在しているボートレース場。
地区 | ボートレース場 | 所在地 |
関東 | 桐生競艇場 | 群馬県みどり市 |
戸田競艇場 | 埼玉県戸田市 | |
江戸川競艇場 | 東京都江戸川区 | |
平和島競艇場 | 東京都大田区 | |
多摩川競艇場 | 東京都府中市 | |
東海 | 浜名湖競艇場 | 静岡県湖西市 |
蒲郡競艇場 | 愛知県蒲郡市 | |
常滑競艇場 | 愛知県常滑市 | |
津競艇場 | 三重県津市 | |
近畿 | 三国競艇場 | 福井県坂井市 |
びわこ競艇場 | 滋賀県大津市 | |
住之江競艇場 | 大阪府大阪市住之江区 | |
尼崎競艇場 | 兵庫県尼崎市 | |
四国 | 鳴門競艇場 | 徳島県鳴門市 |
丸亀競艇場 | 香川県丸亀市 | |
中国 | 児島競艇場 | 岡山県倉敷市 |
宮島競艇場 | 広島県廿日市市 | |
徳山競艇場 | 山口県周南市 | |
下関競艇場 | 山口県下関市 | |
九州 | 若松競艇場 | 福岡県北九州市若松区 |
芦屋競艇場 | 福岡県遠賀郡芦屋町 | |
福岡競艇場 | 福岡県福岡市中央区 | |
唐津競艇場 | 佐賀県唐津市 | |
大村競艇場 | 長崎県大村市 |
これらすべて、主催者は企業だったり都道府県だったり市区町村だったりとバラバラです。
ボートレース場ではレースの施行はもちろんのこと、舟券の購入・払い戻し場所としても機能しています。
新しくボートレース場を作るには広大な土地、そして競走に使う水やその他、多くの設備や環境が必要になります。
近年ではこれらの環境を整えることが難しくなりました。
そのために最後にボートレース場が作られたのは1975年のボートレースからつの移転による新建設が最後となり、それ以降は一切ボートレース場は作られなくなりました。
ボートレース振興会が2020年3月6日にボートレース六本木に事務所移転しましたが、こちらは東京の六本木に所在しているボートレース場ではなくあくまで名称だけになります。
現代の時代背景などを考えると今後、新たにボートレース場が新設される可能性は限りなく0になることでしょう。
東北・北海道では冬は水面が凍ってレースが開催できないことなどを考慮しても未開の地に設置される可能性やはり皆無と言えます。
場外舟券発売場(ボートピア)とは
場外舟券発売場は場外やボートレースチケットショップ、ボートピアと呼ばれています。
その名の通り、競艇場の外で舟券を購入できる場所になります。
来場客の交通手段を考慮し、駅などから近い都市型と高速のインターの近辺となる郊外型の2タイプに分かれていることがほとんどです。
なお、日本で初めて場外舟券発売場は香川県丸亀市のボートピアまるがめです。(ボートレースまるがめとは別の施設)
場外では舟券をより多く売るために市街地だけでなく、交通の便が良い場所や近隣に公営ギャンブルの施設が存在しない場所などに設置されています。
場外ではボートレースの中継が行われ、舟券発売機で無人による舟券の発売・払い戻しができます。
また、ボートレース事業を所管しているのは国土交通省のため、国土交通大臣の許可がなければ場外舟券発売場を設置することはできません。
当然、地元地域からの同意・調整が取れていることが証明されていなければこの許可はおりません。
地元地域の同意とは町内会をはじめとする自治会組織の同意に加えて区長・市長・町長など首長の同意、地方議会の反対決議が出ないことの3つを指します。
反対運動
地元民を始めとして反対運動が多く行われているのも事実です。
大抵の場合、場外舟券発売場の新設には裏では大金が回っているイメージですね。
反対の理由として挙げられる大半は次のとおりです。
■交通渋滞の悪化
土日には場外舟券発売場を目指して遠方からも人が多数来場します。
これによって渋滞が発生しやすくなります。
特にG1やSGといった大きなタイトルが開催される時には大渋滞も予想されます。
■治安の低下
競艇に限らず公営ギャンブルに酒はつきもの。
勝った人が歓喜のあまり泥酔するまでお酒を飲んで酔っ払ったり、逆に負けた人がやけくそで飲む酒も…。
酔っぱらいが街にいることは良いことではなく、子供に対する悪影響を考えても目を瞑れずにはいられません。
また、帰りの電車代まで競艇に使い込んでしまい、自転車を窃盗して帰ったりタクシーで乗り逃げすることもあるかもしれません。
飲み食いしたゴミやタバコなども大きな問題になります。
■青少年への悪影響
法律では20歳未満の舟券購入は認められていません。
最近の未成年は大人っぽく見えるので入場も簡単にできることもあるでしょう。
20歳未満の舟券購入を完全に防ぐということは現実的に不可能といえるでしょう。
既存の場外が廃止
逆に既存の場外舟券発売場が廃止となるケースもあります。
2020年5月、コロナ渦の最中にボートピア習志野の廃止が発表されました。
開業は2006年でしたがインターネットで舟券が手軽に購入できるようになり、売上が低下したことに加えて新型コロナウイルスの影響(休館)もあり、閉館に追い込まれました。
閉館に追い込まれた理由の一つとして市民による反対運動も引き金になりました。
ボートレース振興会と場外の関係
場外の設置にあたってボートレース振興会は関与していません。
ボートレース振興会に売上の一部が入るし、関知・関与していないことはないのでは!?
この様に思う人も多いことでしょう。
確かに場外に関するお知らせや所在地などはボートレース振興会の公式ホームページでも公開されていますし、場外の売上の一部はボートレース振興会へと回ってくるので一切関係ないはずはありません。
しかし、先に説明したように場外舟券発売場の設置については各地域で設置を検討するところから始まります。すなわちまずは施行者がいなければボートレース振興会は動くことができないのです。
ボートレース振興会が「この地域は周りに公営競技が無いから場外を設置しよう!」と動いている訳ではないのです。
そのため、新聞などで場外発売場設置推進の報道がされるたびにボートレース振興会は関知していない旨を発表しているということになります。
それに加えて、地元住民などからボートレース振興会に「場外を作らないでくれ!」などの問い合わせも多く入ることからこのような発表をしているのでしょう。
ただし、一部では推進を行っているのも事実です。
昨今、ボートレース振興会が関知しない案件で”場外が設置される”という情報が出回っていますがこれらの類は詐欺まがいのものが多く含まれているとボートレース振興会から警告も出されています。
そのためにボートレース振興会が関知していないものについては逐一、公式ページ上でその旨を公開しています。
過去にボートレース振興会が発表した場外設置推進に関する発表は次のとおりです。
<2020年5月27日更新>
福岡県豊前市において、場外発売場設置推進の新聞報道等がなされておりますが、本件に関してボートレース振興会は一切関知しておりません。<2020年3月16日更新>
沖縄県沖縄市中央において、場外発売場設置推進の新聞報道等がなされておりますが、本件に関してボートレース振興会は一切関知しておりません。<2018年8月29日更新>
茨城県取手市小浮気において、場外発売場に関する地元住民向け説明会が開催されているとの情報が寄せられておりますが、本件について、ボートレース振興会は一切関知いたしておりません。また、事業者が配布したと思われる資料に「東京都六市競艇事業組合」及び「株式会社MBサービス」の記載がありますが、どちらの団体においても、本件に一切関知しておりませんのでご注意ください。<2018年7月2日更新>
2018年6月20日(水)に開催されたボートレース活性化委員会(ボートレース中央団体で構成される業界の方針及び施策決定機関)において、現状の推進に係る課題と今後の新規物件の推進方法について議論され、電話投票売上の拡大及び優良な候補地が限られてきたこと等を踏まえ、今後は積極的に新規物件の推進は行わない方針が決定されました。
新しい推進方法については、2018年10月1日(月)以降、従来の推進方法(当会が民間事業者から物件公募する方法)から、施行者が主体となって物件を選定し推進する方法に変更することとなりました。
従いまして、当会は施行者が主体となって推進する場合のみ、その推進に協力させて頂くことになりました。
なお、2018年10月1日(月)より前に提示を受けた物件につきましては、継続して活動終了までご協力いたします。
以上、突然の推進方法の変更となりましたが、ご理解ご協力のほどお願いいたします。
ご不明な点等がありましたら、当会までお問い合わせください。
チケットショップに関するお問い合わせ先
チケットショップ推進部03-5545-4564<2018年1月30日更新>
・熊本県内における場外発売場の設置推進に関しては、現在も熊本地震による復興途上である状況に鑑み、当分の間は設置推進を行いません。<2017年10月4日更新>
・大分県大分市中央町において、先日、新聞報道等されていますが、当会はその推進活動に一切関知しておりません。<2016年6月24日更新>
ボートレースチケットショップ(場外発売場)は、勝舟投票券を発売できる施行者があって初めて開設できるもので、その推進の窓口は当会が行っています。
近年、当会の関与なく、ボートレースチケットショップ推進のための地元住民向けの説明会を開催するなどの情報が多く寄せられておりますが、当会が関与しないこの種のコンサルティング案件は、詐欺まがいのものが多く含まれております。
本事業の推進をお考えの方は十分ご注意いただくとともに、そのような案件に接した場合には、必ず当会宛に予めご照会いただきますようお願いいたします。
コンサルティング系の会社は場外が設置されるという情報を流すことでその土地の価格を操作したり、施設建設に関する入札などで詐欺を働くこともあります。
全国の場外・チケットショップ一覧
最後に、全国にある場外舟券発売場、すなわちボートレースチケットショップ・ミニボートピア・オラレなどの一覧を公開します。
2020年6月18日現在、77箇所の場外舟券発売場があります。
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