航走指示灯(コウソウシジトウ)という言葉を聞いたことがありますか?
これに光が灯される時は必ず救助艇も出動します。
この記事では実際に過去にあった航走指示灯を巡ってのトラブルを書いていきます。
競艇における救助艇の重要性
救助艇は救助活動以外にも優勝した選手を乗せて競技場内をゆっくりと走るウィニングランの時にも活躍します。
しかしほとんどの場合、救助艇はその名の通り「転覆」「落水」「沈没」の時に出動します。
転覆…ボートがひっくり返って選手が水面に落ちてしまうこと。
落水…旋回時の遠心力やスピードの出し過ぎが原因でレーサーだけが水面の中に投げ出されること。
沈没…その名の通りボートが沈んでしまうこと。他の艇との接触でボートに穴が空いて沈む場合などに使われる。
なお、スタート時の転覆・落水・沈没はすべて欠場扱いとなり、その艇に関する舟券はすべて払い戻しとなる。
逆にスタート以降のいかなる転覆・落水・沈没は「失格」となりその艇に関する舟券は返還されない。
救助艇によるひどすぎる万舟券
まずはこちらの動画をご覧ください。
救助艇が出動してから選手が困惑している様子が伺えます。
本来、救助艇は選手の邪魔にならない位置で待機して救助活動を行わなければいけません。
ボートレースのルールにおいて事故の際、救助艇の外を回らないといけないというルールがありますが落水の位置がアウトコースになると場合によって内側を走ることもあります。
内が点灯すれば救助艇の内側を走る
内か外かどちらを走ればいいのかは”審判委員長“の指示次第です。
もちろん、選手は耳にイヤホンをつけながら走るわけではないのですべては目視で指示を確認してそれに従い走らなければいけません。
転覆や落水が発生するとまずコースの両端にある危険信号灯が点きます。
基本的には事故の際には救助艇の外を走るのですが、この危険信号灯の横にある航走指示灯に[内]の指示が出た場合のみ内側を走らなければいけません。
逆をいうと航走指示灯に何の表示もなければ救助艇の外側を走ることが約束になっています。
これに違反すると航走指示違反となり失格になります。
事故発生からの予想外の流れ
上記の動画のケースを簡単に説明すると…
落水発生
救助艇出動
危険信号灯が点灯
【航走指示灯:ナシ】つまり外側を走れという指示
先頭選手(3吉永)「救助艇がアウトコースにもいる!”内”の表示がないけどこっちの待機してる救助艇の内側を通っていいんだよな…」
2番手選手(5山崎)「先頭が待機救助艇の内側にいってるから俺もそこに…」
3番手選手(2荒井)「え?内の表示がないのに内側通ったらダメでしょ!俺は外側を回ろう」
4番手選手(1亀山)「どっち?どっちが正しいの!?(ウロウロ)」
救助艇「え?ここにいたらまずかった!?」
こんな状態です。
実はこの時いた救助艇は実際に救助を行っていた救助艇ではなく、別の待機している救助艇だったのです。
待機している2つめの救助艇の位置が問題の根源でしたね。
申し訳なさそうに救助艇が後進している姿は微笑ましいですが3号艇の舟券を買っていた人と先頭を走っていた3号艇吉永選手が気の毒すぎます。
結果/払戻
着 | 枠 | 登番/選手 | タイム |
1 | 5 | 2903 山崎 毅 | 2’11″0 |
2 | 2 | 3685 荒井 輝年 | 2’13″5 |
3 | 1 | 3970 亀山 高雅 | 2’14″8 |
4 | 3 | 4099 吉永 則雄 | 2’17″6 |
5 | 6 | 2935 幸本 誠 | 2’33″3 |
落 | 4 | 3855 大熊 辰弥 |
勝式 | 組番 | 払戻金 |
3連単 | 5-2-1 | ¥24,350 |
3連複 | 1=2=5 | ¥1,720 |
2連単 | 5-2 | ¥4,440 |
2連複 | 2=5 | ¥700 |
拡連複 | 2=5 | ¥330 |
1=5 | ¥670 | |
1=2 | ¥340 | |
単勝 | 5 | ¥770 |
複勝 | 5 | ¥570 |
2 | ¥110 |
なんと3連単の払戻は24,350円と超高配当となりました。
単勝も770円、当たった人は相当な強運の持ち主ですね。
この救助艇の職員が新人だったのかベテランだったのかは知るよしもありませんがこの後、上層部には相当怒られたことでしょう。
3号艇吉永を軸にしていた人がクレームや問い合わせを行ったことは間違いないでしょう。
さすがにここまでのレベルまでいくと競艇予想でも運でもなんでもないので全舟券を返還した上でもう一度仕切り直しでレースをする仕組みになればと思いました。
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