競艇の市場は今や1兆円をゆうに超えています。
一時は売上が減少した競艇業界ですが最近では6年連続で売上が上昇しています。
この記事では競艇の推移と売上が上昇している原因を追求していきます。
目次
競艇の年間売上推移
年ごとの売上ではなく、年度ごとの売上となるため集計期間は【4月1日~3月31日まで】となります。
年度 | 西暦 | 売上 | 前年比 | 利用者 |
---|---|---|---|---|
平成14年 | 2002 | 1兆1,990億9,627万2,100円 | -- | 6,704万7,040人 |
平成15年 | 2003 | 1兆751億3,285万4,900円 | -10% | 6,824万6,272人 |
平成16年 | 2004 | 9,837億7,710万6,700円 | -8% | 6,992万5,837人 |
平成17年 | 2005 | 9,743億3,809万4,600円 | -1% | 7,451万9,269人 |
平成18年 | 2006 | 9,703億8,681万7,200円 | 0% | 8,332万9,770人 |
平成19年 | 2007 | 1兆75億1,389万7,800円 | 4% | 9,779万3,640人 |
平成20年 | 2008 | 9,772億608万2,300円 | -3% | 1億662万5,511人 |
平成21年 | 2009 | 9,257億4,555万3,600円 | -5% | 1億1,612万4,075人 |
平成22年 | 2010 | 8,434億6,278万7,000円 | -9% | 1億1,949万8,901人 |
平成23年 | 2011 | 9,198億4,224万5,700円 | 9% | 1億4,733万2,664人 |
平成24年 | 2012 | 9,175億5,782万8,500円 | 0% | 1億6,838万5,548人 |
平成25年 | 2013 | 9,475億9,354万6,600円 | 3% | 1億8,107万705人 |
平成26年 | 2014 | 9,952億8,819万2,100円 | 5% | 1億9,145万3,836人 |
平成27年 | 2015 | 1兆422億8,240万9,300円 | 5% | 2億1,701万8,532人 |
平成28年 | 2016 | 1兆1,111億5,106万4,600円 | 7% | 2億5,402万4,678人 |
平成29年 | 2017 | 1兆2,378億8,060万7,300円 | 11% | 2億9,221万5,089人 |
平成30年 | 2018 | 1兆3,727億9,264万700円 | 10.9% | 3億2,994万9,887人 |
令和元年 | 2019 | 1兆5,434億9,245万1,500円 | 12.4% | 3億4,949万4,345人 |
※利用者に関しては複数の人が別日に渡って舟券を購入した場合に増える仕組みのため、日本の人口を超えていますが同一人物だけでカウントすると数値はかなり低くなります。
○競艇売上推移グラフ
平成27年には8年ぶりに売上金額が1億円を超え、そこから毎年数パーセントずつ売上を上げてきている、いま、最も熱い公営ギャンブルといっても過言ではありません。
2018年度はうなぎ登り!令和元年も売上更新か
2018年度(平成30年度)の売上が2019年4月1日に発表されました。
平成30年度(平成30年4月1日~平成31年3月31日)
売 上:1,372,792,640,700円
利用者:329,949,887人
平成30年度 | 前年度比 | 平成29年度 | |
---|---|---|---|
売上 | 1,372,792,640,700円 | 10.9% | 1,237,880,607,300円 |
利用者 | 329,949,887人 | 12.9% | 292,215,016人 |
開催日数 | 4,571日 | 0.1% | 4,566日 |
2018年度(平成30年度)の売上は約1兆3728億円と年々売上を増しています。
2020年には東京オリンピックが開催されるため、そこに向けてボートレース界もさらに規模を拡大しようと様々なイベントやコマーシャルに予算を費やすことが想定されます。
新しい年号の令和元年も売上上昇は確実と言っていいでしょう。
過去には2兆円市場だった競艇業界
バブル期全盛期の1991年度の売上高は2兆2,137億円と2兆円市場だった時代もありました。
なお、同じギャンブルと括られているパチンコ市場は1995年には30兆円市場、パチンコ人口は3000万人と国民の4人に1人がパチンコをしていたという驚きの数字もあります。
子供を除くとほとんどの大人がパチンコをしていた計算になりますが今ではパチンコ人口は1000万人を切っていると言われています。
カジノ法案が成立の方向で動いていますがそうなると更にパチンコ人口は減ることでしょう。
しかし公営ギャンブルはまた別の話。
まだまだ集客方法はたくさん残っているので伸びしろは十分にあることでしょう。
話が逸れましたが競艇も今ではボートレースとしてイメージを一転させ、さらなる売上上昇を目指しています。
競艇の売上が上昇している原因を探ってみました。
テレビCM効果 渡辺直美を起用
誰もが見たことがあると思いますが前に比べ、さらにボートレースのテレビコマーシャルを見かける機会が多くなりました。
しかも競艇の単語は一切出さず、若者ウケが良さそうな芸能人ばかりが出演しています。
2002年には当時、様々なTV番組に引っ張りだこだった遠藤久美子(エンクミ)がイメージキャラクターを務め、その後も優木まおみ(4年)、和田アキ子(2年)、南明奈(4年)、渡辺直美(単発)、すみれ(2年)、渡辺直美(現在)と有名芸能人を起用し、ボートレースを宣伝してきました。
2018年現在は渡辺直美さんとロバートがテレビCMに出演していますがボートレースを知らない人でも
ちなみにボートレースのテレビCM、2004年には大手広告代理店の電通が請け負っていたようですがそれ以降は不明です。
新東通信という名古屋と東京に本社を置く広告代理店がギャンブルに強いので今はこの広告代理店が主に取り仕切っているのかも知れません。
普通なら中高年向けに演歌歌手や元スポーツ選手などを起用しそうですがあえて若者をターゲットにするところが売上アップに繋がっているのです。
さらに2019年には人気俳優の田中圭を起用し、女性層のファンを本格的に取り入れる動きが見られています。
各競艇場のリニューアル
少し前の競艇場のイメージといえば「汚い」「臭い(タバコ)」「おじさんが多い」「暗い」といったイメージが持たれがちでした。
実際に1990年中頃は鉄火場と思えるくらいに客層もダークで施設もどこかドンヨリしていて、ゴミやはずれ舟券がその辺に散らばりお世辞にも綺麗とは言えず、競艇場そのものがゴミ箱と化していました。
女性は敬遠して当然ですしそんなところに子供を連れて行っても教育上良くないことは誰にでもわかります。
それが今では各競艇場、劣化や耐震補強で全国的に競艇場はリニューアルされ見違えるほどきれいになりました。
最近はデートや土日には家族が子供連れで遊びに来れる場所になり、若い人も目に付きます。
心なしか競艇玄人(くろうと)のおじさま方もファッションに気を遣われている印象をうけます。
インターネット投票のテレボート
売上が大幅に上昇した理由の一つとしてインターネットで全国の舟券が買えるようになったことも挙げられれます。
パソコンが身近になったと同時にスマートフォンの普及でさらに買いやすくなった舟券。
インターネット専用投票サイトは”テレボート“という1985年から存在しているサービスです。
その名の通り テレ=テレフォン=電話 と電話を使ってプッシュホン操作で舟券を購入する仕組みですが現在はインターネットで購入できるようになっています。
もちろん今でも電話投票は可能です。
舟券を購入する場合は開催地かテレボート、ボートピア(場外舟券売り場)となるのですが、競艇場やボートピアがない地域の人でもテレボートを使って全国の競艇場の舟券が購入できるようになりました。
競艇場やボートピアがない地域はこちらの記事で書いています。
若手美人選手
以前紹介した若手選手専門のヤングレーサーなどを使って若くてかわいい選手をすぐに見つけることができます。
レディース戦の売上が高いことから若手女子選手や美人な選手も数多く出場するレースでは高い人気を誇っていることが伺えますね。
今やアイドル並の扱いをされているかわいい選手もいるのが現実です。
パチンコ・競馬・競輪の客の流入
パチンコ・パチスロに関しては業界自体が非常に苦しい状態となっています。
原因は出玉率の規制でイベントや告知なども当局から厳しく制限されているため、店舗側もなんとかユーチューバーを呼び込んだり、何の代わりもない名だけのリニューアルオープンといった形で集客をしています。
出玉を還元できないと客らはバカらしいと思うのは当然で、そういった客層が競艇に流れていることもあります。
また競艇場も綺麗になり、ボートレースをテレビ番組や広告で見かける機会が多くなったため、競輪・競馬・オートレースのお客さんも競艇に流れてきています。
テレビ番組やAbemaTVでの放映
レース内容はもちろんのこと、昔に比べて明らかに競艇をバラエティ番組のコーナーに入れたりする機会が増えてきました。
BSフジやAbemaTVだけではなく民法番組でもたびたび見かけることが多くなっています。
アメトーーク!でもイメージアップだ!!ボートレース芸人として放映された回がありました。
また、坂上忍や蛭子能収、ネプチューンのホリケンや徳光さんなどなど数多くの競艇ファンが芸能界にもいます。
ナイター開催
売り上げの悪い競艇場がナイターでレースを開催した結果、売上が激増したという過去があります。
他の競艇場もそれに習ってデイ開催からナイターに切り替えることで競艇業界全体の売上を底上げすることとなりました。
ナイター開催だと仕事務めの人も舟券を購入することができますし、普段仕事帰りにパチンコや競馬場へ行く人の選択肢が増えることになり結果として売上アップに繋がります。
今後のボートレース業界はどこへ
売上右肩上がりのボートレース業界ですが最終的な目標はどこに設定しているのでしょうか?
実は競艇は日本と韓国にしか存在していない競技です。
韓国では開催地は1箇所のみでレベルも非常に低いものとなっています。
韓国競艇のレベルは体感ですが日本のB2選手以下といったところでしょうか。
スタートに関しても0秒~2秒とかなり幅がありますし競技場も1つだけなので仕方ありません。
つまり日本は世界的に見ても高い技術を持ったレーサーしかいない国ということになります。
日本の競艇業界ですがずばりカジノ法案通過後、もしくは東京オリンピック開催までに急激に再成長していくのではないかと思われます。
一時は2兆円市場だった競艇ですが、最終目標は再度売上2兆円に届かせることでしょう。
タイミングよく(?)巨大市場のパチンコ・パチスロ業界が衰退してきているのでここをチャンスだと思って当然です。
さらには海外からも観客を呼び寄せ、売上を上げていくはずです。
実際に若松競艇場などの九州の競艇場には韓国や中国からのお客さんも多く、売上にも貢献しています。
東京オリンピックやカジノ完成時には観光客を含め海外からたくさんの人が日本に来ます。
そこでボートレースという日本ならではの公営競技で遊んでもらい大幅に売上を上げていくことだと思われます。
さらに盛り上がっていく競艇業界の未来が楽しみですね!
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