広島県廿日市市の宮島競艇場。
瀬戸内海の海水を利用したコースとなっていて潮の干満差があります。干潮時は静かなコースが満潮時にはうねりが発生し、選手にとっても難易度の高いコースになります。
さらに午前・午後で風向きが変わり、スタートが揃わないのが大きな特徴。
このコースにおいて前代未聞の珍レースが起きました。
競艇不成立 全号艇が失格!
A2選手からB2選手まで様々な階級の選手が集結した宮島競艇の第3回スカパー!・JLC杯。2月5日、開催二日目の9レース・ティータイムで事件は起こりました。
このレースは進入固定レースとなっており、1から6号艇まで枠なり進入しなければいけないというルールになっています。
大外6枠の河野選手だけジャージが異なっているだけで新人選手ということがわかるかと思います。
単勝オッズ
枠 | ボートレーサー | 単勝 |
1 | 吉島 祥之 | 1.4 |
2 | 原田 智和 | 5.9 |
3 | 上村 純一 | 3.4 |
4 | 山本 修次 | 7.4 |
5 | 角山 雄哉 | 29.6 |
6 | 河野 主樹 | 29.6 |
単勝オッズを見て分かるようにやはり1号艇の吉島に人気が集まっています。
水面情報
気温0度で真冬の海からの風が冷たかったことでしょう。
風速3mの向かい風の中レースは開催されました。
結果は不成立
スタート情報にFの字がついているのは「フライング0.何秒」という意味です。
1号艇のベテラン吉島は0.09秒のグライング、新人6号艇河野は0.19秒のフライングとなり、なんと全選手がフライングで失格となり、レースは不成立となりました。
画像付きでレースを分析
全選手フライングとなったレースのスタート画像を検証していきます。
赤い線がスタートラインとなり、右上の時計が12時をさした時がスタートとなります。
この時計が12時をさすよりも早くスタートラインを切ればフライング。
選手がいかに0.00秒付近でスタートできるかでレース結果が左右されます。
競艇のボートにはブレーキがないのでスタートタイミングが早いと思えばアクセルを緩めて減速します。
そして全選手がスタートラインを切った瞬間の画像です。
時計はまだ12時をさしていないのに全艇、スタートラインを切ってしまいました。
選手はフライングしたことを瞬時に知ることができません。
コースを一周したところでフライングの発表。
競艇でのフライングはやり直しとならず、対象の舟を予想していた場合は舟券が返還対象となります。
このレースは全艇がフライングで失格となったため、舟券を購入した全員に購入金額が変還されます。
原因は向かい風
直前まで3mの向かい風が吹いていたので各選手はそれに合わせてスタートを切るように調整します。
しかし、スタートに向かっている最中、突然向かい風がやみ、方向も強さも定まらない突風が吹いたとのことでした。このレースに出走した全員、即日帰郷と大変重い処分を受けましたがかわいそうな処分結果となってしまいました。
売上金863万200円、ボートレースの控除率は25%なので運営サイドは約216万円を損失したということになります。
競馬のように失格でも変還されないルールではなくて舟券を買った人も安心したはずでしょう。
自然の力で左右されるのがまた競艇だということを再認識させられました。
コメント
スタートライン間違っていますね