定期的に競艇関係での犯罪などが出ていますが今回のケースは少し変わっています。
タイトルにもあるように観客の釣り銭を盗み取った人物がいたのです。
目次
委託先の警備会社スタッフが犯人 自動発払機から現金盗む
なんと今回の犯行は競艇場にいる警備員。
事件の概要は2018年9月6日、ボートレース福岡内で警備をしていたスタッフが客の釣り銭9,000円を自動発払機から盗んだというのです。
客が釣り銭を忘れたことに気づき、舟券販売機へ戻るとあるはずのお釣り9,000円がなくなっていました。
これを客が施設内で通報し、ボートレース場関係者と警備会社で監視カメラを確認したところ、警備員が釣り銭を取った映像が記録されていたのでした。
犯人は外注警備会社のスタッフ
ボートレース福岡の陣営からしてみれば不幸中の幸いとでも言いましょうか、釣り銭を取った犯人はボートレース福岡で雇い入れた従業員ではなく、外注している警備会社のスタッフだったのです。
ボートレース業界を盛り上げようとしている最中でこういった事件はマイナスとなりますが外部の警備会社の従業員ということで主催者はホッとしていることでしょう。
ではこの警備会社はどうやって決められ、誰が手配するのでしょうか?
入札制度で警備会社を決定
ボートレース福岡では入札制度を用いて警備会社と契約を結んでいます。
この制度を知らない人のためにもまずは”入札“を簡単にしていきます。
特に市区町村の仕事において入札が利用されるケースが多いのですが、例えば公園などは個人の持ち物ではなく公共の場となっています。
そこに生える草木や遊具を管理するのは各市区町村ですが自分たちで公園の管理をしているわけではありません。
例えば倒れそうな木があった場合、自分たちで切って処置することができないため、外部に委託する必要があります。
その際、決まった会社にお願いをした場合どうなるでしょう?
支払うお金の出処は大半はみなさんの税金や補助金などから捻出されますが、本来10万円で解決されるものを30万円と上乗せして請求し、浮いた20万円のお金を現金で担当者にキックバックさせるという悪巧みをする人もいるかもしれません。
そのために入札という方法を使い、不正がないようにします。
民間企業であればいくら高かろうが損をしようがその会社にしか関係ないことなので無視できますが、税金からそのお金が出ているとなれば一般市民はシビアに見て当然ですね。
入札は一般競争契約の意味を指しますが、落札の上限としてまず予定価格を作成します。
入札する金額が予定価格よりも安ければ落札となり仕事をもらうことができます。
入札に参加する会社は自分の会社の利益を少しでも多く確保するためになるべく高い金額で落札をしようとしますが他社よりも高い金額だと仕事をとることができません。
A社:10万円(利益2万円)
B社:14万円(利益6万円)
C社:20万円(利益5万円)
この場合、A社の落札価格で決定します。
B社の14万円から6万円を引くとかかるお金はA社と同様、8万円となるわけですが利益を取りすぎたために入札に失敗したことがわかります。
C社は原価で15万円もかかっていることが分かりますが、そもそも人の使いすぎや費用が他社よりもかかりすぎている点が問題となります。
少し分かりにくい説明ですが、こうした形でボートレース福岡の警備も入札制度が使われているのです。
ボートレース福岡の主催者は福岡市と福岡都市圏広域行政事業組合です。
市が運営しているということは赤字も利益もすべては福岡市に還元されるので特定の業者と癒着できないために入札制度を使っています。
ボートレース福岡が入札によって契約した警備会社はどこなのかを調べてみました。
愛知県名古屋市の株式会社コアズ
愛知県名古屋市に本社を構える株式会社コアズのセキュリティ事業は全国に4箇所ありました。
ボートレース福岡の警備は九州事業本部の管轄だと思われます。
株式会社コアズには従業員の教育をしろ!だとか、そもそもそんな人間を雇用するな!と思う人も多いかもしれません。
しかし一個人の勤務中による犯行なのでさすがにそこまではフォローできなかったといったところでしょうか。
しかしこのままなんのお咎めもない訳にはいかなかったのです。
コアズには競争入札停止処分が
9月14日から3ヶ月の間、入札に参加できないという措置がとられました。
警備での契約金額は1年で1億5493万1117円と巨額ですがボートレース福岡で開催される日数は約180日で警備員も1名・2名の次元ではないので妥当な金額なのでしょう。
どれくらいの罪になるのか?
警備員にはどのような処分が下るのでしょうか。
まず、刑事罰に関してですが窃取を認めているということなので、よほど悪質でなく初犯であれば前科とはならず前歴という記録だけが残って終わるかと思われます。
犯罪歴が付く場合は調書をとったあと、在宅起訴で裁判所から通達を待ち執行猶予付きの犯罪歴で終わることでしょう。
ただし、警備会社は1億円超えの入札に参加できなくなっただけではなく、会社の評判を落とされたたなどの理由で損害賠償請求などを受ける可能性もあるのではないかと思います。
まとめ
競艇場で前のお客さんが釣り銭を取り忘れていた場合、すぐに届け出るようにしましょう!
いくら負けが込んでいてもそれを取ってしまうだけで最悪の場合、人生が変わってきます。
また、競艇場だけでなくてもセルフガソリンスタンドやラーメン屋の券売機などでもお釣りが忘れられていた場合には必ず届け出ましょう。
今の時代、監視カメラはありとあらゆるところに付けられています。
一つの過ちで一生を棒に降ることがありませんよう・・
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